「ねぇ、ディルディス。今何考えてる?」ぶん!
サラが手に持っていた頭蓋骨をヴァンプ化した、
元ヒトであっただろうモノに投げる。
ゴン!とぶつかった音がする。
瞬間。
ヴァンプ化した男性に銃が向けられた。
ガキン。
「永遠に、おやすみ・・・哀れな魂達・・・」
空色の瞳は、哀しそうな色を帯びたが、迷うことなく、引き金を引いた。
ドォン!!!
銀の銃弾は正確に、かつ速く、心臓を貫いていた。
一瞬のうちにキラキラ光りながら、体は灰になった。
「ディルディス・・・。囲まれてるよ・・・」
「あぁ・・それもたっくさん・・・な」
『『あんた達に鎮魂歌を歌ってやるよ』』
ニッ。と 二人の口の端が持ち上がった。
「さぁーてと。主犯者は誰でしょーね?」
探す?とサラが訊くと、どうすっかなー・・・。とディルディスが悩む。
「ほっといたら、危ないしなぁ・・・」
「狩っとく?」
「うーん・・・ってサラ、何人と組み手したと思ってる?」
「一人50人近く。んで?何?どーすんの?」
「ともかく、一回帰ろう。危ないし」
「そーね・・・でも」
主犯者が肉を喰ったんじゃないと思うの。とサラが呟く。
「咬まれた一人の人間から、どんどん広がったんじゃない?」
「・・・・・・なんで、俺に訊く?」
んーとねと、腕を組みながら考えるサラ。
「バンパイヤだから?」
「疑問を疑問で返すなよ・・・;」
「ん?だって、少しはアイツラの気持ちは分かるかなーって」
「オイ、コラ。俺は非道なヤツじゃねーぞ」
そう?と言った後、ブーツをカツカツ鳴らしながら歩いていくサラ。
「ね。さっさと帰ろう?おフロ入りたいし」
「・・・無視かよ・・・」
スタスタと歩き出した妹を見ながら、ボソリと呟いた。
墓場と化したリリータの町